
歯列矯正は見た目を整えるだけでなく、噛み合わせの改善や口腔機能の向上にもつながる治療です。しかし費用が高額になるため、「安くなったりしないのかな?」と考えるかたも多いのではないでしょうか。
そんなときに知っておきたいのが医療費控除の制度です。
今回は、大人や子どもの歯列矯正が医療費控除の対象になるケース、確定申告の際のポイントについて詳しく解説します。
目次
■歯の矯正の費用は医療費控除の対象になる?
医療費控除とは、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が10万円を超えた場合に、所得からその分を差し引いて税金を軽減できる制度です。
歯科治療の中でも、むし歯治療や抜歯などは対象となりますが、歯列矯正は目的によって対象になるかどうかが異なります。
◎審美目的の矯正は対象外
単に「見た目をきれいにしたい」という美容目的だけの矯正は、医療費控除の対象になりません。
たとえば、歯並びを整えて印象を良くしたいといった場合は該当しません。
◎機能回復を目的とした矯正は対象
一方、噛み合わせの改善や発音、咀しゃく機能の回復を目的として行う場合は医療費控除の対象となります。歯列不正によって日常生活に支障があると判断される場合、医師の診断書を添付することで対象になります。
歯並びを良くしたいと思って相談に行くと「噛み合わせが悪く改善が必要」と機能回復を目的とすることが多く、意外にも歯科矯正は多くの場合で医療費控除の対象になります。
■マウスピース矯正(インビザライン)も医療費控除の対象になる?
インビザラインなどのマウスピース矯正は、基本的に保険適用外の自費診療です。そのため費用は全額自己負担となりますが、先ほどの基準に該当すれば医療費控除の対象になります。
◎大人のマウスピース矯正
成人矯正の場合は「見た目の改善」だけでは控除の対象外ですが、咬合異常(不正咬合)で噛み合わせの改善や、顎関節症などの改善目的で行うと医療費控除を申請できます。
◎子どものマウスピース矯正
子どもの矯正は、成長過程での顎の発育を正常に導く治療として行われるため、多くの場合、医療費控除の対象になります。 特に小児矯正では、歯列や咬合の発達をサポートする「治療目的」が明確なためです。
■医療費控除を受けるための手続き
医療費控除を受けるには、確定申告で必要書類を提出する必要があります。
◎準備しておく書類
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歯科医院の領収書(支払い日・金額・治療内容のわかるもの)
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矯正の目的を記載した歯科医師の診断書(必要に応じて)
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通院にかかった交通費(公共交通機関利用の場合)
クレジットカードで支払った場合は、支払日ではなく治療を受けた年が対象となる点に注意しましょう。また、タクシー代は原則医療費控除の対象外となります(緊急時は対象となるケースがあります)。
◎申請方法
確定申告書を作成し、国税庁のe-Taxまたは税務署に提出します。医療費控除の明細書に、医療機関名と支払額を正確に記入します。返金は通常、数ヵ月後に所得税の還付金として振り込まれます。
■医療費控除を活用するメリット
高額な歯の矯正費用の一部を税金の還付という形で取り戻せるのが、医療費控除の大きなメリットです。たとえば、80万円のマウスピース矯正費用を支払った場合でも、所得や税率に応じて数万円〜十数万円の税金が戻るケースもあります。
【医療費控除も活用・検討してみましょう】
矯正治療を検討しているかたは、費用がネックになっている方も多いと思います。診断書の有無や申告時期を歯科医院で確認し、上手に制度を活用することで賢く費用負担を軽減しましょう。
矯正治療についてご不明な点があればお気軽にご相談ください。
