皆さん、こんにちは!足立区北千住にある歯科医院、
荻原デンタルクリニックの歯科衛生士の中里です。
最近、ある歯科雑誌に、たいへん興味深い記事が載っていました。
聞いたことがある方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、歯周病の治療によって、糖尿病の改善が期待できることが分かってきたのです。
糖尿病を持つ患者さまに、歯周治療を行った場合に、血糖コントロール(血糖値が正常域まで下がること)が改善するかどうか、ということをテーマとして、1型糖尿病(血中の糖を下げる働きのあるインスリンが出なくなるタイプの糖尿病)、または2型糖尿病(インスリンの分泌が悪くなったり効きにくくなるタイプ)がある人を対象として、歯周治療や口腔衛生教育を行った群と、そうでなかった群を比較したランダム化比較試験を集めました。
歯周治療を行った群と治療を行わなかった群とを比較した研究では、HbA1C(糖尿病の重症度を表す検査値)に0.8%の差が見られ、歯周治療に抗菌剤を併用した群と歯周治療なしを比較した研究では0.36%の差が見られ、試験群とコントロール群の両方に抗菌薬を用いた研究では、0.15%の差が見られました。
これらをあわせて、歯周治療を行った群と治療を行わなかった群とを比較すると、歯周治療後3カ月あるは4カ月目のHbA1Cの差は平均で0.4%となりました。
少し難しい話になってしまいましたが、現在の日本には700万人の糖尿病の診断を受けた患者さまがいて、予備軍までいれると2000万人の日本人が糖尿病の危険にさらされていると言われています。
実際に当院に来院されている患者さまにも、糖尿病の方は多く、歯周治療をしたことが直接の原因かどうかは定かではないのですが、数値が下がったという方もいらっしゃいました。
糖尿病患者さまの歯周治療は血糖コントロールを改善する可能性があるということは、とても興味深い話で、歯科衛生士として、これからも注目していきたいと思います。