皆さんこんにちは。ルミネ千住歯科クリニック院長の荻原です。本日は歯科矯正治療と歯周病の関係についてお話ししたいと思います。以前は歯周病の矯正治療は、症状を悪化させる恐れがあるとして危険視されていました。しかしながら、近年の研究と臨床例の蓄積により、矯正治療前に歯周組織の細菌性の炎症を抑制してから、歯を周囲の骨の適正な位置に移動する事が大切であるとわかってきました。このような原則を守る事で、通常の歯科治療と同様に矯正治療を進めることができ、歯周組織は治療前より改善する事も少なくありません。歯周病を有する成人が矯正治療を開始する場合には、その進行度により矯正治療の対応が異なります。一般的には、歯周病があると歯の移動の際に歯肉退縮が発生しやすいため、大きな歯の移動は避け、わずかな移動で最大の効果がでるように治療計画を立案します。最近は、矯正材料の進化により、弱い力で矯正治療をおこなえるようになってきた為、成人の矯正治療の適応範囲も広がってきました。
矯正治療と歯周病
2019年5月29日